検察審査会の議決要旨(申立4号)

・・・本件は、昨年12月15日に本欄で取り上げた議決要旨の再審査案件である。
 【本欄過去記事→https://0-3459.at.webry.info/202012/article_2.html
 下記のとおり、昨年は「不起訴不当」とされていたのにも拘らず、今回は「不起訴相当」となっている所に注意を要する。しかも、不起訴相当としていながら、わざわざ検察審査会としての意見を付言している点は、筆者としても無視出来ない。

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令和3年 横浜第三検察審査会審査事件 (申立)第4号

申立書記載罪名:重過失致傷
検察官裁定罪名:過失傷害
検察審査会認定罪名:過失傷害

議決年月日:令和3年4月8日

議決要旨:  

 上記被疑者に対する過失傷害被疑事件(横浜地方検察庁 令和2年検第8330号)につき、令和3年3月4日上記検察官がした不起訴処分の当否に関し、当検察審査会は、上記申立人の申立てにより審査を行い、次のとおり議決する。

* 議決の趣旨: 本件不起訴処分は相当である。

* 議決の理由:
1.被疑事実の要旨
 被疑者は、平成30年3月14日、神奈川県海老名市内のスーパーにおいて、同店店内を通行するに当たり、他の客との接触事故を未然に防止すべき注意義務があるのに、これを怠り、漫然と通行した過失により、後退してきた被害者(当時86歳)に気付かないまま同人と接触し転倒させ、よって、同人に全治約60日間を要する左大腿骨転子部骨折の傷害を負わせたものである。

2.一事不再理について
(1)検察官は、令和2年8月31日、本件事実について、不起訴処分とし、同処分に対し申立人は、検察審査会に審査の申し立てをした。
(2)当検察審査会は、同年12月3日不起訴不当の議決を行った(第1議決)。
(3)検察官は検察審査会の議決を受け、再起捜査し、令和3年3月4日、不起訴処分とした。
(4)申立人は、同不起訴処分に対して、再度、審査の申し立てをしたのが、本件である。
(5)当検察審査会は、本件の検察官と第1議決の検察官が異なること、証拠によれば、第1議決において当検察審査会が指摘した事情などを踏まえて検討が加えられ、詳細となっていることが認められるので、本件申立にかかる検察官の処分と第1議決の処分は、検察審査会法41条の8にいう「同一の理由」に当たらないと判断した。

3.検察審査会の判断
(1)当検察審査会は、検察官がした不起訴処分について、本件不起訴記録、審査申立書を十分に精査し、慎重に審査した結果、検察官がした不起訴処分の裁定を覆すに足りる事情が発見できない。
 よって、上記趣旨のとおり議決する。
(2)当検察審査会の意見
 ァ 第1議決において、当検察審査会は、被疑者の歩行速度について、申立人が納得する客観的捜査を求めたが、それがなされなかった。
 ィ 再起後、被疑者の証言のみで、第三者的立場の証言を得ないまま結論を維持した。
 ゥ 視覚障害者の過失傷害等の刑事裁判例は存在しないとの説明は、被害者の立場では意味がない。
以上のとおり、当検察審査会が求めた再捜査とは隔たりがあると感じた。

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