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・・・昨年の7月に横須賀市内の民家で知人の女性2人をナイフで刺し、重傷を負わせたとして殺人未遂の罪に問われた米兵の被告の判決公判が6月19日に横浜地裁横須賀支部で開かれ、猪俣裁判長は被告に懲役8年(求刑懲役10年)の実刑判決を言い渡した。 判決理由の中で猪俣裁判長は、被害者の供述は「当時の状況について具体的で臨場感に富んだ証言をしており、2人の供述は相互に信用性を補完し合っている」として、「殺意は無かった」とする弁護側の主張を退けた。 その上で、被告の行為については「基地でのストレスを被害者にぶつけるといった動機に酌量の余地無し。犯行態様は強力なもので、強固な攻撃意欲に基く執拗な犯行である」と断罪。一方で「被告人は犯行当時未成年であり、計画性も認められない」として、一部情状酌量を認めた。 (傍聴席) 本事件について、筆者は結局判決公判しか傍聴出来なかったのだが、論告求刑の内容を新聞報道で知り、この日の裁判所の判断に注目していた。 と言うのも、被告が米海軍に所属(フリーゲート艦乗組員)していた点もさることながら、被告が事件で使用した凶器が「ステーキナイフ」だったからだ。 通常、我々が食事の際に使用するステーキナイフは、とても「鋭利な刃物」とは言えないような形状であり、当然殺傷能力にも乏しい。しかし、判決理由の中で裁判所は、被告が使用したステーキナイフの刃先は「ノコギリ状」のものであり、しかも2人の被害者のうちの1人には多数回突き刺した、という点を重視。両人に対しての「未必的殺意が推認出来る」とした。 とは言え、凶器として使用したのがステーキナイフであった点に加え、「帰艦時間に遅れて処分が免れない状況にあって、たまっていたうっぷんを晴らす為に犯行に及んだ」という経緯・動機は稚拙そのものであり、弁護側が殺意の有無を争ったのも、ある意味当然であったという気もしないではない。 いずれにせよ、裁判所は@被告が犯行当時、未成年だった A犯行の計画性が認められない B米軍が被害者に5万円ずつ見舞金を送った、という3点を考慮して8年の実刑に”止めた”。しかし、そもそも軍人が民間人の女性に対して起こした犯行であり、事件によって市民に与えた不安感なども少なからず量刑に影響したのではなかろうか、と筆者は見ている。 これによって、被告は(控訴するのかどうかはともかくとして)刑に服し、その後は本国へ強制送還される事になると思われる。当の本人もつくづく馬鹿げた事をしたと今更ながらに後悔しているであろうが、筆者としては被告のみならず、ここ数年同様の凶悪事件が繰り返されているのにも拘らず抜本的な再発防止策を講じようとしない米海軍にも猛省を促す次第である。 |
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