検察審査会の議決要旨(申立12号)

・・・本件は、今年に入ってから6件目となる「不起訴不当」案件である。下記の通り、スーパー店内で発生した極めて稀な事案であり、筆者からすると検察官が不起訴処分にしたのも無理からぬものがある、と言わざるを得ない。しかしながら検察審査会でこういった議決が出た以上、検察庁は起訴するのか否かを今一度、じっくり吟味すべきではあるまいか。

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令和2年 横浜第三検察審査会審査事件 (申立)第12号

申立書記載罪名:重過失致傷
検察官裁定罪名:過失傷害
検察審査会認定罪名:過失傷害
議決年月日:令和2年12月3日

議決要旨:   
 上記被疑者に対する過失傷害被疑事件(横浜地方検察庁 令和2年検第72号)につき、令和2年8月31日上記検察官がした不起訴処分の当否に関し、当検察審査会は、上記申立人の申立てにより審査を行い、次のとおり議決する。

* 議決の趣旨:本件不起訴処分は不当である。

* 議決の理由:
1.被疑事実の要旨
 被疑者は、平成30年3月14日午前11時11分頃、神奈川県ダイエー海老名店1階食料品売場において、同店店内を通行するに当たり、他の客との接触事故を未然に防止すべき注意義務があるのに、これを怠り、漫然と通行した過失により、後退してきた被害者(当時86歳)に気付かないまま同人と接触し転倒させ、よって、同人に全治約60日間を要する左大腿骨転子部骨折の傷害を負わせたものである。

2.検察審査会の判断
(1)被疑者には、視覚障害があり、慎重に歩行しなければ、客と衝突するなどの危険があることは予見できた。
(2)防犯カメラの映像を見る限り速度は速いと考える。
(3)被疑者は、ゆっくり慎重に歩行する、あるいは白杖を適切に使用しながら人と衝突しないように慎重に歩行するなどすれば、結果回避の可能性はあった。
(4)被疑者が一人でスーパーに行くことが事故につながるとの予見ができなかったのか、他の障害者の生活を踏まえた検討をされたい。
(5)以上の観点からの再捜査が必要と考える。
(6)再捜査の結果、不相当と判断するのであれば、その結果を申立人に説明されたい。
  以上から検察官の不起訴処分は不当であり、上記趣旨のとおり議決する。
   令和2年12月3日 横浜第三検察審査会
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