地裁の小窓 ー傍聴最前線ー

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zoom RSS 浮上した「氷山の一角」? [横浜地裁 平成26年(わ)第1667号等]

<<   作成日時 : 2015/11/20 23:00   >>

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・・・ウソの水資源開発や石炭採掘事業への投資名目で高齢者から多額の金銭をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた大山多賀男被告と伊藤勝彦被告の論告・弁論公判が、11月13日に横浜地裁で開かれた。
 論告で検察側は、「実体の無い会社を設立して高配当を巧みに演出するなど、巧妙に計画された組織的・職業的犯行。模倣性が高く、劇場型詐欺の事案を撲滅する為にも厳罰が必要」などとして、大山被告に懲役5年、伊藤被告に懲役3年を求刑。
 対する弁護側は、「12年に家宅捜索を受け、資料は全て大阪府警から神奈川県警に引き継がれており、本来ならば併合罪として一括処理されるべき事案。本件では実行犯グループの主犯が存在するが、大山は“掛け子”が誰か分からず、だましのテクニックも一切知らない。犯行前には2人の弁護士に相談しており、そのうちの1人でも詐欺を指摘していれば止まった可能性があり、2人の弁護士の責任は極めて重い。本件で追加される刑は、大山被告が懲役1年、伊藤被告は懲役3ヶ月が相当」などと寛大な判決を求め、結審した。
 判決は12月22日に言い渡される予定。

(傍聴席)
 「全然、見当違い」
 9月11日に行われた被告人質問で、裁判官から大阪地裁判決で「犯行グループのナンバー2である」と指摘された点を問われた伊藤被告は、明瞭な口調でそう言い切った。
 事務所と銀行口座の開設を担当していた点を検事から問われた際は、ためらう様子もなく「はい」と認めた伊藤被告だったが、一方で「責任者という立場ではない」とも述べ、犯行の実行グループだった男(一審の大阪地裁で懲役5年6ヶ月)との量刑の差異に不満をにじませた。「営業グループの連中の言う通りに従っただけなのに、何で自分が懲役7年なのか」と言う訳だ。
 しかも、大阪地裁で伊藤被告の弁護を担当した藤勝弁護士(*第二東京弁護士会を除名処分)は、被告の意向を無視して控訴しなかった為に一審判決が確定してしまったようだから、そのうえ更に刑を加算されるのは我慢ならない、という事なのだろう。

 大山被告(一審の大阪地裁で懲役9年6ヶ月)は大山被告で、自分の役回りを「便利屋、道具屋だった。お金の管理や配当金の支払い、営業費用の対応をしていただけ」などと釈明。弁護人から森田・藤勝両弁護士への金の流れを尋ねられても「仕事が一回終わる毎に500万円、総額では億単位」と述べるに止まり、検事から自分が稼いだ金額を問われても「億単位だと思う」と、実に曖昧模糊とした回答に終始。それ以外の金にまつわる話も「A氏に5千万円を横領された」とか「江東区のマンションに5千万〜1億円の貸付金がある」といった程度で、巨額の金を動かしていたとされる“自称経営コンサルタント”にしては、あまりにもセコイ。
 もっとも、横浜で審理されているものは事件全体から見れば「枝葉末節」に過ぎないから、この程度の話しか出て来ないのも無理からぬ事なのかも知れない。

 では、先に行われた大阪地裁の審理で全体の金の流れや人脈が詳らかにされたのか?と言えば、それはありえないと筆者は断言する。何故なら、上述の通り犯行グループ複数人の弁護を担当したのは、事件そのものに深く関与していた藤勝弁護士に他ならないからだ。
 
 結局、一部で噂された暴力団や半グレ集団との関係や、被害総額100億円以上とされる金の流れの殆どは解明されないまま、犯行グループの一部が刑事罰を受ける事によって幕引きされてしまうのだろう・・・・・というのが筆者の率直な印象である。
 大山被告は、最終陳述で「刑が確定しても、被害者へは出来るだけ弁済したい」と締め括ってはいた。しかし、これまでの一連の経緯を鑑みると、被害弁済については極めて悲観的にならざるを得ない、という事も付記しておきたい。

 従って、12月の判決で注目すべき点があるとすれば、検察側も認めている併合罪との関係でどのような量刑が言い渡されるのか、という一点に尽きるだろう。

(追補)
 本事件の判決公判が12月22日に開かれ、國井裁判官は大山被告に懲役3年6ヶ月を、伊藤被告には懲役2年を言い渡した。

<本欄過去記事>
 【きょうの判決→http://0-3459.at.webry.info/201509/article_6.html
 【共犯被告1月7日公判→http://0-3459.at.webry.info/201501/article_3.html

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